空中回廊
Air corridors
空中回廊がつなぐ、
斜面を活かした
自然と緩やかに共存する住まい
東西に細長い、7mの高低差のある傾斜地に、親子二世帯のすまいを設ける計画がはじまった。近隣住宅のように擁壁にて、宅地を確保しようとすると、住居スペースが限られ、許容オーバーとなってしまう。そこで、傾斜下の住居の外壁をRC造にすることで、それが土留めの役割を果たすので、住居スペースが充分に確保でき、二世帯の分棟を実現した。棟と棟は、勾配のある中庭で緩やかに分け、その庭に斜面を生かした2つのスロープ等を配置する事によって、半外部空間でつなげることとした。中間に半外部空間がある事によって、各棟へ移動する際に、常に風や光など自然を感じる事ができる。また庇を大きくする事によって、縁側空間が生まれ、外へ赴くきっかけとなる場を配置した。庇が大きく出ている分、開口を大きくする事ができ、傾斜上の棟の一階部分は東西に全開放できる開口を配置し、辺り一帯の景観を見渡せる、開放的な空間を計画した。全開放する事によって、より一層、自然とのつながりも強くなった。
傾斜地に、擁壁による制限で限られた場所にしか建てられない住居にするのではなく、斜面を生かし、自然と緩やかに共存できるすまいを実現した。
愛知県名古屋市 / 住宅 / RC+木造2F / 新築 / 敷地面積344.84㎡ / 建築面積101.65㎡ / 延床面積154.38㎡